今までAmazonの電子書籍Kindleを読む際は、同社が販売しているKindle Paperwhite(WiFi 8GB)を使って読んでいたのですが、昨年タブレット型端末のFire HD 8(32GB)を購入し、主に電子書籍の読書用として半年使って来ました。
これらのAmazonから発売されている製品である、Kindle Paperwhiteは電子書籍専用の端末ですが、Fire HD 8はAndroidをベースにしたFireOSが搭載されており、ネット閲覧からNetflixやfuluなどの各種サブスクリプションサービスやPrime VideoやPrime Musicなど他のAmazonのサービスも利用できる汎用性に優れた端末です。
今回はこの両者の端末でKindleを読み比べ、僕が使って感じた良かったところと惜しいところをご紹介します。
スペック
すでに所持している9.7インチiPad Proと比較すると、Fire HD 8は9.7インチiPadProとKindle Paperwhiteと中間のサイズ感になります。
これくらいのサイズならなんとか片手で持つこともできます。
以下は両者の簡単な比較です。
Fire HD 8(2020年モデル) | Kindle Paperwhite(第10世代) | |
サイズ | 202 x 137 x 9.7mm(8インチ) | 167 x 116 x 8.18 mm(6インチ) |
解像度 | 1280 x 800 (189ppi) | 1448 x 1072(300ppi) |
重量 | 355g | wifi:182g / wifi + 無料 4G:191g |
容量 | 32 / 64GBの内部ストレージ 1TBまでのmicro SDカード対応 | 8 GB / 32 GB |
実測してみると上の写真のようになります。カタログ上の重量の値とは若干異なりますが、Fire HD 8はKindle Paperwhiteの大体2倍くらいの重さです。
参考までに9.7インチiPadProはケース込みで655g、画面はもちろん大きいですが、片手で持って電子書籍を読むには少し大変です。僕としてはこちらは両手で持ってじっくり読むとき用ですね。
次からはFire HD 8とKindle Paperwhite両方を使ってみた感想です。電子書籍専用端末とタブレット端末ですので、両者の使い勝手は一長一短があり、どちらが良くどちらが悪いということではありません。あくまで、読書端末として使った感想となります。
使ってみて良かったところ
Fire HD 8編
カラー表示対応!
なんと言ってもFire HD 8の特徴は8インチサイズでカラー表示が可能というところですね。
これは漫画・雑誌を読む際に力を発揮しました。もちろんKindle Paperwhiteでも読めますが、やはりカラーページを本来の色付きで読めるのは大きなメリットだと思います。
漫画や雑誌などカラー表示を多用している電子書籍を読む機会の多い方は、Fire HD 8(もしくはFire HD 10)の方が適していると思います。
漫画・雑誌でピンチイン・インチアウトで大きさを自由に変えられる!
雑誌を読む時は一画面に全体を表示させると文字が小さすぎて見づらいですし(あと絶対目が疲れます)、漫画の吹き出しのセリフも読む人によっては見づらく感じられるかもしれません。
でも漫画や雑誌などのレイアウト表示の書籍は2本指で外方向または内方向に画面をつまむような操作をする(ピンチイン・ピンチアウト)ことによって、表示を大きくしたり元の大きさに戻すことが可能です。ですので、8インチの画面でも読む際には特に不自由さは感じませんでした。
ページ送りが速い!
これは活字主体の書籍も漫画や雑誌も共通なのですが、ページをめくる操作がスムーズです。画面を進行方向になぞる(スワイプ)操作や画面のサイドの部分を一回軽く触る(タップ)操作でもサクサクとページがめくれます。
マーカーが引きやすい!
個人的にFire HD 8を使って一番感動したのは、この重要なところにマーカーを引くときでしたね。とにかく、指定する文の始めから終わりまでスルスルッと選択できます。
これは今現在の電子ペーパーではなかなかできないことかなあと思っています。電子ペーパーではマーカーを引く箇所の文の指定でなかなか思い通りにならないことが多く、結構苦労させられました。
しかも、マーカーの色を4色から選ぶこともできます。重要度に応じて色を変えてもいいですし、例えば一回目に読んだときのマーカーは黄色で、再び読み返したときのマーカーは赤色にという風にすると、読むたびに引いたマーカーの色で再確認できるのではないでしょうか。
MicroSDカードを増設できる!
Fire HDタブレットはMicroSDカード(最大で1TB)を刺して、容量を増やすことができます。
なのでFire HD 8も32GBモデルであっても、電子書籍のデータが増えてきたならば後からでも対処することができます。
Kindle Paperwhite編
とにかく軽い!
軽いです。軽いです(大切なことなので2度言います)。小さなかばんにも余裕で入りますし、片手で持っていて疲れることなど無いと思います。
視認性が抜群によい!
Kindle PaperwhiteはE-Ink社のCartaを採用した電子ペーパーを採用していて、解像度は300dpiです。文字に滲みがなく、くっきり表示されているので文字をを読んでいても目が疲れにくいです。
また、日中の屋外での使用でも抜群の視認性を実現しており、晴れた日の公園などで読んでも文字が見えにくいということはありませんでした。
防水対応!
IPX8等級を実現しています。Kindle Paperwhiteの技術仕様では「水深2mの真水に60分沈めても有害な影響がないことが確認されています」としています。
入浴時に浴槽に沈没させないで(入浴剤が入っている場合は腐食したりする原因になると思われます)使うかぎりにおいては水滴など多少の水気が付いても問題ない(実際このような使い方をしていました)です。
使ってみて惜しかった(こうなったらもっといい)ところ
Fire HD 8もKindle Paperwhiteもそれぞれ、片方は何でもできるタブレット端末、もう片方は電子ペーパー搭載の読書専用端末と使用する用途が棲み分けられ、それぞれ完成されていると思うので、本来なら比較するのは適切で無いのかもしれません。しかし、今回は読書するシーンに絞った両端末の比較ですので、以下は「こうであればもっと良いのになあ」という完全に僕の願望です。
Fire HD 8編
もう少し軽くなったら・・・
まあ、読書に限らず映画を観たり、音楽を聞いたり、買い物したり・・コンテンツ消費系のことなら何でもできる端末なので、これ以上文句のつけようが無いですが、片手で持って読書するのには、せめて300gは切って欲しいなあと思うのが正直なところです。でも価格を考えるとホントに文句は言えませんね。
屋内使いは問題なし、でも屋外で使うと画面が見えにくい・・・
Fire HD 8に限らずFireタブレットは屋内で使うに適した端末だと思います。僕は使用時に液晶画面に自分の顔が映り込むのがイヤなので、アンチグレアフィルムを貼って使っていますが、その点を考慮しても屋外では輝度を最大にしても、画面の視認性はあまり良くないなあと感じてしまいます。
この点は、上記のKindle Paperwhiteに軍配が上がりますね。
あともう一つ、防水機能が付けば完璧・・・
1万円前後で買えるFire HD 8にこれを言うのは無茶でしょっ。っと自身に言い聞かせています。
Kindle Paperwhite編
ほぼ無い。でも強いて言えば・・・
文章を読むぶんにはモノクロでも全然問題ないので特に不満はないのですが、やはりカラーのページはカラーで見たい。E Ink社からはカラー電子ペーパーがリリースされていますが、将来Kindle端末に採用されるかは期待したいところです(実現すれば価格は高くなるだろうと思いますが)。
もう一つ、文章中心のページを送ったときや漫画や雑誌を読む際にピンチアウト・ピンチインしたりする時に、わずかながら動作にラグがあるのが現状の電子ペーパーの特徴ですが、文章にマーカーを引く際の文字の範囲指定のしにくさも含めて、これらの描画性能というか反応のキビキビさが電子ペーパーの改良で解決できるのかは、将来の課題であるのかもしれません。
まとめ
今回は僕が読書端末をKindle PaperwhiteからFire HD 8に移行して一本化し、半年使って感じたことを書きましたが、屋外ではKindle、屋内ではFire HD 8みたいに使い分けるのも、もちろん一つの使い方です。
ただ、モノをできるだけ増やしたくない場合や、iPadなどすでにタブレット端末を所有していて、iPadほど画面が大きくなく、かつ、片手で持って読みたいみたいな用途であれば、僕みたいにFire HD 8(若しくは他のFireタブレット端末)一本で使うという方法も有りなのではないかと思いますよ!!
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